湯島の夜/湯島本店 Night Of Yushima -7ページ目

迂闊でした・・・。ザ・スクウェア(エア)30周年記念コンサート

湯島の夜/湯島本店  Night Of Yushima


田中豊雪さん28年ぶり?の勇姿・・・。もしかしたら・・・お叱りを受けてしまうかもしれませんが、テレビの映像画像を掲載します。クレームがあれば、即刻外しますのでよろしくお願いします

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 1月31日に放送された「スクウェア30周年コンサート」を今頃見た。そして驚いた。81年から86年までベースを担当した田中豊雪さんも参加されていたのだ。何で今まで見なかったのかねえ・・・。無職のくせに・・・。


 田中さんは、当時僕がアルバイトしていたすみや二子玉川店の社員であった田中さんの弟さんであった。そのお田中さんも「ずうとるび」のバックバンドをされていた人で、僕はその田中さんによく遊びに連れて行ってもらった。


 スクウェアに参加された81年には、六本木のピットインでハードロックギタリスト北島健二さんのベースをサポートすると言うので田中(兄)さんに強制的に連れて行かれた。もちろんチケット代は払っている。


 ピットインの前の方の席に座っていると北島さんが触れそうなくらいの間近に陣取って物凄いフレーズのギターを引き倒し始めた。田中(豊雪)さんも物凄いチョッパーベースでハードな曲のリズムを取っておられ、物凄く感動したのである。


 東北の田舎に生まれて20歳で神奈川に夜逃げしてきた身には、六本木と言う都会のど真ん中の有名なジャズスポットで垢抜けた音楽を聴くという・・・非常に恥ずかしく肩身の狭い思いをしたと同時に、間近で繰り広げられた洗練された美しいハードロックは、僕が生まれて初めて体験するもので、繰り返しになるが非常に感動したのだった。


 ピットインを出て、田中さん兄弟と別れてひとりになると、いきなり心細くなった。なんせ都会のど真ん中である。六本木の街の明かりが眩しく感じられて、置き去りにされた感じだった。


 僕は「ようしっ!」と内心で叫びながら勇気を振り絞って、できるだけ堂々として田舎ものに見えないようにドスドス・・・と大きな足音をたてながら六本木の駅に向かって歩いた。


 あのころは恋愛もできずに毎日を鬱々として過ごすばかりで、このときの田中さん兄弟には今でも恩義を感じて感謝しているのです。ありがとうございました。

大好きなカンナさん「右も左も支配する頭は~ヨダレを垂らす」CD付属DVDより


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 「右も左も支配する頭は肉を食い涎を垂らす」CDにはアメ公相手のライブ模様を収録したDVDが付いている。

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 湯島が一目ぼれした痩身ギタリストBleachのカンナさん。琉球王国人ながら平安時代日本顔でなんだかエロティック・・・(笑)。よく見りゃ不二家のぺこちゃんにも似ている。

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 見てるとモズライトが欲しくなっちゃう・・・アタシ。

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 ベースの森三中みたいなねえちゃんは凄い迫力である。WOWOWライブ映像ではベースに血が迸っていた。

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 カンナさんのモズライトから放たれる琉球王国フレーズのソロは破壊力がある。素晴らしい。


BLEACHとミドリ

 古い音楽バナシを展開いたす。申し訳ござらぬ。しかも久しぶりなので多少は浦島太郎状態である。重ねて申し訳ござらぬ。


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Bleach 「右も左も支配する頭は今日も肉を食いヨダレを垂らす」 

(ハイウェーブ:HICC-2215)


 WOWOWでたまたま見かけた女性中心のバンド2つ、BleachとミドリのCDをAmazonで買った。


 琉球王国のバンドである。アムロや山田優など日本に媚びるアイドルを輩出ばかりするふがいない沖縄県民にあって、このバンドは凄い。ヤマトンチュウに対する恨みや憎しみを忘却していない気がする。タイトルの右も左も「皆同じ穴の狢である」ということを言い表しているのだろう。凄く嬉しいタイトルである。


 タイトルばかりでなく、バンドとしての内容も凄い。最近は凄いテクニックを持った3ピースのガールズバンドというのが多いが、その中でも曲の完成度(僕の私感である)や演奏は群を抜いた力を持っていると思う。


 メンバーはカンナ(G&Vo)、ミヤ(B)、サユリ(Dr)。


 皆いいんだが特にミヤの書く歌詞がいい。「すべてはてのひらのうえ、しはいしゃのざんぱんとなっている~はってんいこーる飢えにわすれていることがある」「こがらな日本人です」などと書くのは“古臭い左翼的”なイメージだが、今の世の中は右翼も左翼も発展の上に大切な目的を忘れて偽りの目標だけ掲げているのである。そういうこともわかってから書いているような歌詞が素晴らしくいいのである。大昔から薩摩やヤマトンチュウに迫害され続けてきた琉球王国の誇りを持ったバンドである。テクニック的には女版外道である。


 カンナの書く歌詞は幻想的であるが、ありがちな幼稚な女の子の夢とか奇をてらったSEX経験などを綴ったものではない。実に過激で危うい深みがある。歌いだしに「赤」というのが2曲ある。これはいずれかを「紅く」とすべきだったろう。左翼的な赤を表現するならばそれでもいいが、幻想的にするならば「紅く」であろう。本人の意図するものがあるのだろうから他人がどうのこうと言うことはないのだが。


 サユリの書く歌詞は一番しっかりした詩である。かっちりとした所謂女性が書くであろうというイメージの詩である。もちろんバンドがバンドであるから毒を持ってはいる。


 僕が一番好きなのはギター&ヴォーカルのカンナである。申し訳ないが安っぽい場末のBarにいるような品のない見た目だが、一番女性らしい。演奏して歌えば、か細い声と歌唱顔が、儚い艶やかさを醸し出すという具合である。なんとなく頼りないソロもいいが、繰り返したたき出されるリフの音楽性の方が破壊性が高い。


1曲目「サムライジャングル」のギターのリフのタメとウネリが面白い。これだけでヤラレちゃう。この音はこれまで聞いたことがなくて、なんだか新しい気がした。全体的に琉球フレーズのような音楽性もいい。付属DVDに収録されている沖縄のアメ公ばかりのライブハウスで演奏される「げっちゅー人間」「トーチ」「右も左も支配する頭は今日も肉を食いヨダレを垂らす」の3曲はイメージどおりで格好がいい。


 ミヤのマイクをがっぽりとくわえ込むような歌唱法もパンクバンド?らしくていい。


 アメ公に媚びるのは嫌だが、琉球には基地があるのでしかたがないだろう。全編ヤマトンチュウ語で歌われており、軽薄なアメ公には理解できないだろうが、馬鹿ノリする煩悩の権化をギターで殴り殺してやりゃいいのに・・・。

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ミドリ 「セカンド」 (247MUSIC:XBU-1001)


 さて・・・ミドリである。小銭喜剛(Dr)、後藤まりこ(G&Vo)、ハジメ(Pf)のオリジナルメンバーに、このアルバムには原田真悟(B)がゲストで参加しているらしい。


 こっちは音楽性は素晴らしいとは思うものの、今の芥川賞を取っちゃいそうなほどの“あざとい性描写”が気に入らない。これを関西風ギャグで奏でるのならば文句はないが、自己表現のようで、僕の思いとは少し違うらしい。性経験が少ない僕にとっては「どうでもいい」歌詞の内容である。男女の営みを文章化するっていうのは僕は一番嫌いなのだ。


 ギター&ボーカルの後藤まりこの知恵遅れ(差別語である)の漫才師のような見た目も、男だか女だか理解しにくいもので、残念だが好きじゃない。ただし、彼女がもう少しビジュアル的にOKならば、このバンドはもっともっと注目されるだろう。見た目で判断するってのは人の常であり、お許しいただきたい。ただし・・・どんなにブスな子でも「かわいい」という人間はいるのである。見た目の好き嫌いなんて個人の評価に過ぎない。それにそもそもはミュージシャンというのは音源が全てであるから、ライブなんて見に行く必要がないものであるからして見た目は重要ではないのだ。


 ただし・・・後藤まりこの歌唱法は素晴らしい。妙なアニメ声も女性らしく細いものではなく破壊力がある。


 WOWOWで見たときはノイズバンドのようなイメージがあったが、音源を聴けば前衛ジャズ的である。妙な音楽性ばかりが先走りすぎる最近ではノイズだパンクだニューウェーブだというようなカテゴリーは無意味なのだろう。これは僕は大好きな音楽である。何度も言うが歌詞は気に入らないものの、そのノイズ性というか音楽構築性というか・・・隙のない構成である。


 関西人が上京してきて中央線沿線に住み着いて吉祥寺や高円寺で音楽活動しているような模範的バンドである。